私の主な実績

参議院議員としての6年間、私が特に力を入れて取り組んできた政策をご報告いたします。


グローバル企業の租税回避問題

最近「パナマ文書」を発端にあらためて世界中を騒がせているグローバル企業による「租税回避」問題は、私が税制分野で最も大きな懸念を持っている問題です。今、私たちの目の前で展開されているグローバル資本主義の光と影、その影の部分があまりに大きくなり過ぎているのだと思います。 名だたるグローバル企業が、今までと異なるビジネスモデルでマーケットを独占、利益を総取りした上で、違法ではないものの脱法的に税金を納めない。これにより、本来国庫に入るべき何兆円もの税収が失われているとも言われます。これは世界各国にとっても大きな課題で、まさに「税の歪みが国家の歪み」になっています。 私は平成26年参議院予算委員会の質疑で、インターネット上の電子書籍の販売でアマゾンが我が国に消費税を納めていなかった点について、国内の紀伊国屋書店などがきちんと納めているのに対して不公平で、これでは「グローバル企業栄えて国滅ぶ」ことになってしまうと危惧し、問題提起致しました。 こうしたグローバル企業は、皆さんの納めた税金で整備された道路、橋、トンネルなどのインフラに「ただのり」する形で我が国で商売を行っています。クリック1つで欲しいものが安く買え即日手元に届くのは確かに便利です。しかし、そのツケは回りまわって確実に私たちにきます。これについては、私が質問した翌年に法改正され、平成27年10月からようやくアマゾンらグローバル企業からも消費税を取れるようになりました。 そもそも、税の負担というものは、より強い者、より稼いだ者こそが応分の負担をする。そうして社会の安定が保たれます。より稼いだ者が更に知恵を使って納税を逃れる。稼いだ者や富める者が税金を納めないで、どうして一般の人が納得して税を納めるでしょうか?私は税制に関しては、この租税回避問題を最大のテーマとし、「弱きを助け、強きをくじく」という言葉を実践する政治家でありたいと思います。

がん対策

国会議員としての6年間、私は、がんサバイバーとして国政へ送って頂いたものの責務として、「救えるはずの命を救いたい」「守ってあげたいいのちを懸けて」。そのような想いを込めて、この世の中が変わってくれるのを、もう待ってなどいられない。誰かが何とかしてくれるのを待ってはいられない。私自身が、病気に苦しむ人の声を国政に反映させる!そのような想いを込めて取り組んだものに、「がん対策」があります。以下に、私が取り組んできたものをご紹介します。 【がん登録等の推進に関する法律(以下、「がん登録推進法」 】 「がん登録推進法」には、自民党の実務者として携わらせて頂きました。 これまで我が国には、全国のがん患者の情報が収集されていませんでした。つまり、どれだけ多くの人ががんに罹患して、どの様な治療を行い、治療ごとにどのくらいの効果があったのか。また、がんの種類には地域の特性があるのかないのか。このような情報を正確に把握してきませんでした。 そこで、これらの情報を収集して効果的ながん対策を講じるために、「全国がん登録データベース」を作り、国内のがん対策を充実させる必要があると、超党派議員連盟「国会がん患者と家族の会」の皆様と、塩崎厚生労働大臣、尾辻参議院議員の諸先輩方と共に実務者として尽力致しました。 がん登録推進法は2013年成立し、本年1月より施行しています。 【がん検診の強化】 がんは早期発見が重要です。皆さんが行うがん健診には二種類あって、いわゆる「がん検診」には、一次検診とその後に行われる「精密検査」とがあります。 まず、いわゆる「がん検診」、一次検診についてですが、平成19年6月のがん対策推進基本計画では、早期発見の個別指標として「がん検診の受診率を5年以内に50%とする」との目標がありますが、平成25年時点で、残念ながら目標に到達しておりません。 次に、精密検査の受診率についてです。精密検査とは、一次検診の結果、何らかの異常が疑われた方が受診して、がんかどうかを判断する重要な検査ですが、「日本消化器がん検診学会」の平成24年度の検診全国集計によりますと、胃がんの精密検査では、一次検診の結果「要精密検査」と判定された人のうち、地域検診では20.6%、職域検診では56.8%の方が、精密検査を受けておられないという結果 でした。 同様に、大腸がん検診の精密検査でも、「要精密検査」の人のうち、地域検診では28.9%、職域検診では68.9%が精密検査を受診しておられません 。 がんの疑いありということで精密検査が必要と判定されているにも関わらず、その精密検査を受診しないというのは、見過ごせない問題です。特に、職域検診で精密検査の未受診が高いというのは深刻です。この点を厚労省にご理解頂き、昨年の「がん対策加速化プラン」には、予防対策として「精検受診率」に目標値を設定して、国全体で「がんの早期発見に努める」こととなりました。

ワクチン政策

日本は、かつて感染症研究や予防医学の最先端を走っていました。明治時代には、我が国において医学の近代化を目指して北里柴三郎、志賀潔、野口英世などの卓越した学者が輩出され、ペスト菌、赤痢菌をはじめいろいろな病原菌を発見し、サルバルサンなどの化学療法剤を作り出して世界に貢献してきました。北里柴三郎は、第1回のノーベル賞候補でしたし、野口英世は3回にわたって、ノーベル賞候補になったそうです。この時代、日本人によるノーベル賞の受賞ラッシュがあっても決しておかしくなかったおっしゃる方もおられます。 しかし現在では、日本は新しいワクチンの開発では諸外国の後方を歩んでいるばかりか、「ワクチン・ギャップ」とよく言われるように、新しく開発・発売されたワクチンが日本でなかなか承認されず、その恩恵が日本国内に行き届かないという状況になってしまいました。その要因には、さまざまなものがあるとは思いますが、我が国のワクチン行政において、あるべき将来を見据えたワクチン行政が不在であったことが、主要な要因であったことは間違いないと思います。 またこの度の子宮頸がんワクチンの副反応問題の根本は、我が国の「健康被害救済制度の不十分さ」にあると考えております。 今回、ワクチン接種後に重い副反応が出た女児の両親が、PMDAと自治体へ救済を申請したところ、共に不支給の判定が出た、ということに違和感を覚えます。確かに、ワクチンと副反応の因果関係は明らかにすべきものですが、これらの因果関係を証明するのは非常に難しいものです。 ワクチンは、100万人に一人程度、重篤な副反応が生じてしまう薬剤で、そのリスクを被接種者に負わせる以上、現行制度の様に、ワクチンとの因果関係を厳密にして「グレーゾーンにいる人々を救済しない」のではなく、「疑わしきは被害者の利益」といった考えで幅広く補償を行う必要があるのではないかと考えています。

リベンジポルノ被害防止法
(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)

私は2年間女性局長として全国をまわり、なかなか陽の当たりにくい、女性が抱える悩みや問題に心を寄せてまいりました。その中でも党女性局としてはじめて立法作業に取り組み作り上げた「リベンジポルノ被害防止法」は、特に力を入れた政策の1つです。 リベンジポルノというのは、振られた腹いせに、交際中のプライベートな写真をばらまく、非常に卑劣な行為で、悩んでいる子供たちはたくさんいます。 リベンジポルノなんか、「私には関係ないわ」なんて思われるかもしれませんが、各種機関の調査によれば、「裸の写真撮らせて」と頼む殿方も多くいれば、それを了解する女性も結構いるようで、10代から20代の女性のなんと16.5%の女性が、彼氏に裸の写真を撮られた経験があると答えたそうです。年頃のお嬢さんがおられる全国のご父兄の皆様は、大変ご心配のことと思います。 この様なお嬢さんを守るために、振られた腹いせに交際していた時のプライベートな写真をばらまく、といった行為を「罪」として、「罰則」を設けた法律を成立させました。 昨年は、リベンジポルノ禁止法が施行された最初の年でしたが、警察には1000件を超える相談が寄せられました。おそらくこれは氷山の一角で、まだまだ悩んでいる人はいると思います。2013年に起きた三鷹ストーカー殺人事件、これはリベンジポルノ禁止法制定の契機となった事件ですが、依然法廷で争われていることは報道でご存じのとおりです。 勿論、法律が成立したことで、今ではこうした犯罪に抑止力がかかっていると期待はしていますが、事件に巻き込まれないためには、まず撮らせないことが大切です。リベンジポルノ被害防止法は「ばらまかれた後」のことしか守ってくれません。大好きな彼が写真を撮りたいっていっても、絶対撮らせちゃダメです。どんなに頼まれても、「俺の事信用してないのか」って言われてもとにかくダメ。自分を守ることが大切です。理由なんて言わなくていいんです。「嫌だ」「ダメだ」これにつきます。家庭でもぜひ伝えてあげてください。そしてリベンジポルノのことで、娘さんが悩んでいたら、話を聞いて、味方になってあげてください。悪いのは撮られた娘さんではありません。そして実際にばらまかれていなくても「言うことを聞かなければネットにまいてやるからな」と脅されただけでも相談できるんです。繰り返しますが、悪いのは撮られたほうではなく、それをばらまくほうなんです。 6年前の選挙の際、私は、がん患者、女性、高齢者と子供たちといった「弱い立場」のみなさんを守っていくことにいのちを懸けたいと申し上げました。いまでもこの思いに、変わりはありません。これからも、「守ります」。安心な生活、日々のささやかな幸せ、将来の生活への希望。こういうものを大切にしたい、女性の皆さんを守りたい、と思っています。